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研究室
について

ABOUT OUR LAB

研究室は2018年10⽉から連携講座(それまでは基幹講座)として
プラズマ物理、核融合炉、宇宙プラズマについて、様々なスケールを多様な観点で探求しています。
核融合エネルギーの開発研究はサステナブルな社会実現に必用不可欠な取り組みです。
基礎物理から産業応⽤まで研究は多岐に渡ります。

東⼤RT-1装置(柏キャンパス)では、実験室に惑星の磁気圏プラズマを再現し、
⾃発的な構造形成(⾃⼰組織化)と平衡安定性の物理解明に取り組んでいます。
最先端技術を駆使することで惑星探査機では分からない物理現象を解き明かし、
⾼温プラズマ物理の探求と学術の体系化を⽬指します。

核融合科学研究所LHD(岐⾩県⼟岐市)では、ミリ波を使い核融合プラズマで発⽣する
⾼エネルギーイオンの計測と解析法を開発するとともに、
⾼温プラズマで発⽣する物理現象の解明を⾏います。
核融合炉からエネルギーを取り出すための⾃⽴燃焼シナリオには⽋かせません。

研究内容

RESEARCH

自然界のプラズマから倣い・その本質を追及します。

惑星磁気圏は自然に存在する最も単純な磁場中のプラズマの形であり、
効率の良い安定したプラズマ閉じ込めを実現しています。
その安定閉じ込め状態の本質を理解するとともに、それに倣い革新的なプラズマ閉じ込めを実現すること、
その応用として先進核融合による究極のエネルギー開発につながる研究を進めています。
プラズマの内部構造を解明するための新しい様態モダリティデバイスを開発し、高速現象の可視化に挑戦します。

参考:東京大学新領域創成科学研究科の紹介記事
「磁気圏型プラズマ装置RT-1のプラズマ物理実験:
実験室磁気圏プラズマから核融合エネルギー開発研究」
2018年 創成31号 Frontier Sciences 1(8ページ)

RT-1のプラズマ圧力と電子密度の関係

現在の核融合研究の主流であるトカマクやヘリカル方式では、プラズマ圧力は磁場圧力の1/10程度です。これに対して、木星の磁気圏では磁場圧力と同程度のプラズマが非常に高効率で閉じ込められています。

磁気圏型の高性能プラズマを人工的に作り出す事が出来れば、経済性に優れた先進的な核融合炉実現への応用が可能になります。木星磁気圏のプラズマ平衡の数値計算・高速流の動圧の効果により、超高βプラズマ閉じ込めが実現されます。

実験室において惑星磁気圏環境を作り出し、高い局所プラズマ圧力(βe>1)を達成しました。更に高性能プラズマ生成を目指します。

磁気圏型プラズマ装置RT-1

超伝導磁気浮上コイルを真空中に浮上させ、ダイポール磁場を発生し、惑星磁気圏を模擬。
磁気圏を模擬したプラズマの自己組織化現象の探求。
高ベータプラズマの安定生成。

プラズマ生成,
加熱クライストロン
(8.2GHz, 100kW, 1秒)

キャッチャー
応答時間<0.1秒

浮上コイル
超伝導材Bi-2223, 温度<30K
外径0.375m, 重量110kg, 実験時の電流116A

引き上げコイル
(浮上コイル引上げ用)

浮上コイル制御
レーザー距離計

プラズマの自己組織化現象の解明

木星等の惑星磁気圏ではプラズマが密度勾配に逆らう向きに拡散し、
プラズマ自身がその形状を維持し続けていることがVoygerの観測等で明らかになっています。
外力による制御がないにもかかわらずプラズマが自分自身の形状を形成する自己組織化現象を解明するために、
計測器の高度化とプラズマパラメータ領域の拡大の研究を進めています。

  • ミリ波干渉計・レーザー散乱による電子密度・温度の空間分布計測による認識様態モダリティとその制御。
  • 波動加熱手法の開発とその結果生じる高速イオン流による高βプラズマの安定閉じ込めの追及。
  • コヒーレンスイメージング法によるイオン流の可視化。ガウス過程トモグラフィによるイオン温度・イオン流の断層像への再構成。
  • プラズマ中の波動伝搬と吸収シミュレーション(Electro-magnetic wave simulations by a raytrace calculation and a full wave calculation)。
  • ポッケルス効果を利用した精密電界計測手法の開発とその応用。
プラズマ診断

RT-1プラズマと計測したX線像
加熱手法・計測器開発
  • 電子サイクロトロン波の電力吸収評価
  • モード変換電子加熱
  • 磁気ビーチイオン加熱
  • 非協同トムソン散乱
  • コヒーレンスイメージング分光
  • ポッケルス電界センサーによる波動電場検出
  • 波動光学によるプラズマ中の波動伝搬・吸収シミュレーション
  • 機械学習・深層学習による計測データの再構成手法の開発
■静電プローブ

周辺電子密度、電子温度、プラズマポテンシャル

■軟X線検出器

高温電子エネルギースペクトル

軟X線検出器
■可視分光

トロイダル流速、イオン温度等

可視分光
■磁気ループ

プラズマ蓄積エネルギーベータ値

可視分光
■ミリ波干渉計

線平均電子密度、電子密度プロファイル

ミリ波干渉計
RT-1プラズマ実験結果(複雑な振る舞い)
渦に引き寄せられながら加速する粒子
渦に引き寄せられながら加速する粒子

イオン温度の非等方性の観測
高周波電界分布シミュレーション結果

高周波電界分布シミュレーション結果

磁気圏プラズマのイオン加熱に成功

磁気圏プラズマのイオン加熱に成功(世界初!)

■電磁波によるプラズマ波動加熱物理
イオンサイクロトロン加熱のためのアンテナモデル 電磁波によるプラズマ波動加熱物理

最先端計測によりプラズマを可視化
~協同トムソン散乱計測による荷電粒子追跡~

核融合プラズマでは、重水素と三重水素の核融合反応により高エネルギーα粒子が発生し、そのα粒子が加熱源となり外部加熱が無くてもプラズマの燃焼を維持し続けるのが核融合炉の発電シナリオです。 研究室で開発しているミリ波協同トムソン散乱(Collective Thomson Scattering:CTS)計測により、 プラズマ中のα粒子の空間分布やエネルギー状態を診断できるようになります。
計測データの解析に深層学習Conditional Generative Adversarial Networks(CGAN)を適用することで、
2次元速度空間上の粒子マッピングを世界で初めて可能にしました。

  参考: M. Nishiura et al. “Spectrum response and analysis of 77-GHz band collective Thomson scattering
diagnostic for bulk and fast ions in LHD plasmas”, Nuclear Fusion 54(2014) 023006, 1-10.


参考: LHDのホームページの成果紹介の解説ページはこちら

プラズマ中の電磁波散乱の原理図プラズマ中の電磁波散乱の原理図 協同トムソン散乱計測システムを利用したイオン速度分布関数の計測結果協同トムソン散乱計測システムを利用した
イオン速度分布関数の計測結果
協同トムソン散乱計測システム 協同トムソン散乱計測システム
大型ヘリカル装置LHD大型ヘリカル装置LHD 深層学習による速度空間粒子マッピング深層学習による速度空間粒子マッピング

高速イオン誘起ガンマ線計測

核融合プラズマから損失してくる荷電粒子をモニターする手法の開発は装置の健全性を確保するうえで重要です。
実験とシミュレーションから、新たなアイデアを取り入れた計測器を提案していきます。

究極のエネルギー 熱核融合炉(ITERなど)
ITERのポロイダル断面のイラスト
ITERのポロイダル断面のイラスト

星や太陽を輝かせている核融合反応は究極のエネルギー源として潜在的
能力を秘めている。

■DT反応
d + t → α (3.5 MeV) + n (14.1 MeV)
d : deuterium, t : tritium
ガンマ線イメージング実験
ガンマ線イメージング実験

3.5 MeVアルファ粒子の
効率的な閉じ込め

エネルギーを炉心プラズマの
自己加熱に利用

医療用のPET検出器を応用して、高エネルギーガンマ線計測器の開発を行っている。


9Be(α, nγ)12C反応によるアルファ粒子が誘起するガンマ線計測例

研究業績

INVITED TALKS & PUBLICATIONS

INVITED TALKS

実験室磁気圏プラズマの実験と関連した磁気圏型核融合、核融合プラズマの状態を計測する先進診断法の開発、プラズマ中の自発的・能動的波動とプラズマの輸送に関して 招待講演を行いました.

  • 1)M. Nishiura et al.,“Collective Thomson scattering with 77, 154, and 300 GHz sources in LHD”,Laser Aided Plasma Diagnostics 2019(LAPD19), November 22-26, 2019,Montana, USA.
  • 2)M. Nishiura et al.,“Experimental approach for understanding self-organized plasma transport in laboratory magnetosphere RT-1”,2nd Asia-Pacific Conference on Plasma Physics, November 12-17, 2018, Kanazawa, Japan.
  • 3)M. Nishiura, “Progress in the Dipole Plasma Experiment RT-1”,19th International Congress on Plasma Physics, June 4-8, 2018,Vancouver, Canada.
  • 4)M. Nishiura,“Experimental Physics of Magnetospheric Plasma in RT-1”, 1st Asia-Pacific Conference on Plasma Physics, 18-22 September 2017, Chengdu, China.
  • 5)M. Nishiura et al., “Recent Progress of Collective Thomson Scattering Diagnostic for LHD and Design Study for JT-60SA”, The 5th International Workshop on Far-Infrared Technologies 2014(IW-FIRT2014),5-7 March, 2014, Univ. of Fukui, Japan.
  • 6)M. Nishiura et al., “Initial result of collective Thomson scattering using 77 GHz gyrotron for bulk and tail ion diagnostics in the Large Helical Device”, 14th International Symposium on Laser-Aided Plasma Diagnostics, 21-24 September 2009, Treviso, Italy.
  • 7)西浦正樹他,“核燃焼プラズマにおけるアルファ粒子計測”, 第3回プラズマ科学シンポジウムPSS-2009/SPP-26, 2009年2月2-4日,名古屋大.

RECENT PUBLICATIONS

  • 1)M. Nishiura, S. Adachi, K. Tanaka, S. Kubo, N. Kenmochi, T. Shimozuma, R. Yanai, T. Saito, H. Nuga, R. Seki, “Collective Thomson scattering diagnostic with in situ calibration system for velocity space analysis in large helical device”, Review of Scientific Instruments 93 (2022) 053501, 1-8.
  • 2)M. Nishiura, T. Shimizu, S. Kobayashi, T. Tokuzawa, K. Ichinose, S. Kubo, “Q-band high-performance notch filters at 56 and 77 GHz notches for versatile fusion plasma diagnostics”, Review of Scientific Instruments 92 (2021) 034711, 1-4.
  • 3)M. Nishiura, K. Tanaka, S. Kubo, T. Saito, N. Kenmochi, H. Nuga, R. Seki, T. Shimozuma, Y. Yoshimura, H. Igami, H. Takahashi, T. I. Tsujimura, R. Yanai, Y. Tatematsu, LHD Experiment Group, “Collective Thomson scattering with 77, 154, and 300 GHz sources in LHD”, Journal of Instruments 15 (2020) C01002, 1-8.
  • 4)M. Nishiura, Z. Yoshida, N. Kenmochi, T. Sugata, K. Nakamura, T. Mori, S. Katsura, K. Shirahata, J. Howard, “Experimental analysis of self-organized structure and transport on magnetospheric plasma device RT-1”, Nuclear Fusion 59 (2019) 096005, 1-6.
  • 5)M. Nishiura, Y. Kawazura, Z. Yoshida, N. Kenmochi, Y. Yano, H. Saitoh, M. Yamasaki, T. Mushiake, A. Kashyap, N. Takahashi, M. Nakatsuka, A. Fukuyama, “Ion Cyclotron Resonance Heating System in the RT-1 Magnetospheric Plasma”, Nuclear Fusion 57 (2017) 086038, 1-6.
  • 6)M. Nishiura, Z. Yoshida, T. Mushiake, Y. Kawazura, R. Osawa, K. Fujinami, Y. Yano, H. Saitoh, M. Yamasaki, A. Kashyap, N. Takahashi, M. Nakatsuka, A. Fukuyama, “Electro-optic Probe Measurements of Electric Fields in Plasmas”, Review of Scientific Instruments 88 (2017) 023501, 1-8.
  • 7)Masaki NISHIURA, Zensho YOSHIDA, Yoshihisa YANO, Yohei KAWAZURA, Toshiki MUSHIAKE, Haruhisa SAITOH, Miyuri YAMASAKI, Ankur KASHYAP, Noriki TAKAHASHI, Masataka NAKATSUKA, Yuichi TAKASE, Atsushi FUKUYAMA, “Increase in Ion Temperature by Slow Wave Heating in Magnetosphere Plasma Device RT-1”, Plasma and Fusion Research 11 (2016) 2402054, 1-4.
  • 8)M. Nishiura, Z. Yoshida, H. Saitoh, Y. Yano, Y. Kawazura, T. Nogami, M. Yamasaki, T. Mushiake and A. Kashyap, “Improved beta (local beta >1) and density in electron cyclotron resonance heating on the RT-1 magnetosphere plasma”, Nuclear Fusion 55 (2015) 053019, 1-5.

ORGANIZED SYMPOSIUM

  • 日本物理学会年会2018年03月,領域2シンポジウム

    「境界・層(boundary・interlayer)が織り成す多様な物理~宇宙から実験室プラズマまで」

    「境界層」をキーワードとして、最先端の研究を、境界の取り扱い一つで結果や解釈が大きく異なるという観点で先生方にお話いただきました。分野を横断する聴衆に問題を提起し、 皆さんの今後の研究に生かしていただければ幸いです。シンポジウム内容はこちら

PATENT

  • 1) 出願番号:特願2020-200186,事件名:ノッチフィルタ,発明者:西浦正樹 他,令和2年12月2日. 特許出願中.ミリ波フィルタの情報をNEWS記事に掲載.( View in English here ) 英文誌Review of Scientific Instumentsに3月12日付けで掲載されました.

メンバー

MEMBERS

研究室で核融合科学研究所を見学して来ました。


(左図)Coherence imaging spectroscopyによるプラズマ中のHeイオンの線積分像と深層学習を用いた断層像への再構成。プラズマ・核融合学会誌2019年7月号の表紙に採用されました。 (右図)アメリカ物理学会APSでM2学生が研究成果を発表し、ニューヨークブルックヘブン国立研究所(BNL)で共同研究も実施しました。博士課程の学生がBNLに留学中。

インターンシップ短期留学生
・2018.6.24-8.3 Lan Wenhong
・2017.6.5-7.14 Manica Nagpal
・2016.6.6-7.15 Sheetal Jain
・2015.6.29-8.7 Lei Chon Lock
・2014.6.23-8.7 Niall Francis Byrnes

共同研究

COLLABORATION
本研究室のプラズマ・核融合の実験、ミリ波システムやミリ波コンポーネント、ポッケルス電界センサ、干渉イメージ分光等、国内外の研究機関や企業の皆様と共同研究を実施しています。 ご興味のある方、大学、企業や研究所でシーズやニーズをお持ちの方は、ご連絡ください。

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東京大学大学院新領域創成科学研究科先端エネルギー工学専攻

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