次世代核融合炉の設計においては炉形が重要であり、炉形の実現可否は炉内プラズマ支配方程式（理想電磁流体平衡方程式）の平衡解の存在有無により決まる。しかし、理想電磁流体平衡方程式は楕円双曲型であるため、優れた閉じ込め能力を持つとされている対称性を持たない炉形（左図参照）における平衡解の存在は未だ知られておらず、非対称の炉系における平衡解の導出は核融合実現において重要な課題である。本研究では Simons Collaboration on Hidden Symmetries and Fusion Energyとの共同研究による、局所領域における準対称性を持つ解の存在証明[1]および非対称トーラスにおける回転変換を持たない準対称磁場の存在を証明した[2]。
[1] N. Sato, Z. Qu, D. Pfefferlé, and R. L. Dewar, “Quasisymmetric magnetic fields in asymmetric toroidal domains,” Physics of Plasmas 28 112507 (2021).
[2] N. Sato, “Existence of weakly quasisymmetric magnetic fields without rotational transform in asymmetric toroidal domains,” Scientific Reports 12 11322 (2022).