プラズマ理工学講座梶田研究室 RT実験グループ 齋藤晴彦
| 自然に学び、先進核融合や反物質プラズマの実現へ |
| 核融合はエネルギー問題を恒久的に解決し得る未来の科学技術です。磁場閉じ込め方式ではトカマクやヘリカルが先行しますが、惑星磁気圏と類似したダイポール磁場では、高性能で安定な構造をプラズマ自身が自発的に形成することが知られています。新しい閉じ込め概念を取り入れることにより、炉の経済性を改善して核融合開発を加速し、さらには中性子を発生しない先進的な核融合の実現につながります。 |
| 当研究室の中核をなすダイポール磁場装置RT-1は、無冷却状態で高温超伝導コイルの磁気浮上を可能にした、世界でも数少ない革新的な実験システムです。この先端技術を活用して、マイクロ波干渉計や粒子束、X線、各種揺動などの多様な計測手法を用いて、先進核融合に適したプラズマの生成手法と形成機構の解明を進めています。 |
| プラズマ核融合学の知見を活かし、地球近傍の宇宙空間で発生する宇宙天気現象や、電子と陽電子から成る反物質プラズマの実験室研究にも取り組んでいます。磁気浮上ダイポールにより、核融合のみならず宇宙空間や反物質の世界で発生するダイナミックなプラズマ現象を実験室に再現し、地上と宇宙に共通する普遍的な現象の解明と応用を目指しています。 |